寄宿舎2階ロッカールーム
もともと1人で捜索するつもりだったので、霧切に部屋を出されたついでに、他の場所の捜索に移った。
キリンの絵が描かれた扉を開けると、中はロッカールームだった。
ロッカーは更衣室でみたような電子ロックがついていたので、さっそく学園長のオール権限生徒手帳を使ってみた。
そこには手帳が1つ入っていた。
中の文章を読んでいると、その持ち物は誰だかすぐにわかった。
「私の父である学園長に」そう続いていた。
それってつまりこの手帳の持ち主は霧切ってことで…。
でも霧切は学園に来てから1度も、学園長である父に会ったことがないと言っていたのに…。
苗木は頭の中の疑問を拭うべく手帳を読み進めた。
すると最後のページになぐり書きされた文章が残されていた。
その他、手帳には学園長と霧切の間で交わされた言葉などが書かれていた。
天才たちを保護し、未来への希望とすることが、この計画の目的なのだ。
霧切響子の手帳より
天災に勝つのは天才だけ… そして、絶望に勝てるのは希望だけだ。
この計画は、我が国にとって、最後の希望といっても過信ではない。
優秀な若者を汚れた世界から隔離し、未来への礎としなければならないのだ。
それこそが唯一の希望。
他のロッカーも開けて、何気なく積まれたノートを手に取ると、そこには葉隠康比呂の名前が書かれていた。
しかも中には数回分の授業内容が書かれていて、入学していきなり閉じ込められて授業なんて1度も受けたことがないのに…!?と混乱するばかりだった。
情報処理室
考えてもわからないので、見たことだけ書き留めて情報処理室に捜査場所を変えた。
中には朝比奈がいた。
モノクマ模様のドアの鍵も外れていたので、中を調べてみることにした。
その部屋はまるでSFのコックピットのようだった。
朝比奈が適当にボタンを押すと、隣の部屋から何か物音がした。
すぐとなりの情報処理室に戻ってみると、そこにはモノクマが立っていた。
話しかけるとドーナツをご所望された。
中の人は黒幕ではなくて朝比奈らしい。
どうやら、先ほどの部屋はモノクマを操るコックピットだったようだ。
なんだか怖くなったし、他の部屋も捜査しようというので、朝比奈と一緒に情報処理室を出た。
すると背後からガチャリと音が。
慌てる2人の前にモノクマが現れて、「はい、鍵は締めました。」と言ってきた。
モノクマを操ってるってことは、あの部屋に今黒幕がいるってことで。
もしかして、さっきも黒幕が部屋にいたのかとモノクマに詰め寄ると。
床の下の扉の中に潜んでいたようだった。
しかし、その扉は内鍵のため、どのみち黒幕を引きずり出すことは無理だったようだ。
朝比奈は自分が出ようって言ったせいだと落ち込んでいたが、もっと前向きに行動しようと発破をかけて、朝比奈には今の情報処理室での出来事を伝えるメッセンジャーになってもらった。
学園長室
同じ4階にある学園長室を訪れると、十神がいた。
何か発見したらしい十神はちょっとごきげんそうだ。
面白いものを見せてやろうだなんて、苗木のことは黒幕じゃないと信用してるのかもしれない。
この学園長室には以前、霧切が持ち出した戦刃むくろのプロフィールがとじてあるファイルがあった。
しかしどうやら霧切が持ち出したのは1ページだけだったらしく、プロフィールにはまだ続きがあったのだ。
そこに書かれたそれは学園長の所見のようだ。
戦刃むくろの帰国には、”超高校級の絶望”と呼ばれる存在が関係しているということ。
フェンリルに所属し、戦場を渡り歩いていたわりに、入学時の検診ではその身体に傷1つ見つからないほど、戦闘能力が高いこと。
彼女は危険な存在ゆえに注意が必要だと書かれていた。
あれ?死体になった戦刃むくろの身体には「ここ数日のものではない無数の傷跡が」ってモノクマファイルにかかれていたけど、古傷ではなかった?
戦闘能力が高く傷1つ追わないような戦刃むくろ、それを殺すことができる黒幕。
いったいどうやって…。
疑問に感じていると十神から、戦刃むくろの身長体重スリーサイズを教えられた。
そして十神に「どう思う?」と聞かれたので、苗木は少し返答を悩んで「いい体してますね?」と答えると、「馬鹿が!」と呆れられた。
植物庭園の死体がそれにちゃんと該当するのか調べてこい、ということらしい。
なんだそのひっかけ問題みたいなやつ。
どのみちあとで植物庭園には行く予定だったんで、大人しくパシられることにした。
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