ゴミ捨て場からの脱出

唯一あったドアを霧切の持つモノクマの鍵で開けてもらい、ゴミ捨て場を後にした。
ドアの先には、見えないほど高く伸びるハシゴがあった。
足元が見えなくなる恐怖を紛らわそうと、苗木は霧切に話しかけた。

ずっと幼い頃からだと言う。

代々続けてる家業ならよほど有名なんだろねと苗木が言うと、いいえむしろ逆よと霧切は答えた。
探偵とは正義でも悪でもない、中立の立場でなければいけない。
そのために霧切たち一族は、あえて自分たちの存在を隠してきたというのだ。
それが誇りだという。
しかし霧切はその誇りを曲げてしまったと悔やんでいた。

それだけお父さんに会うのが、楽しみだったんだからしょうがないよ。と苗木は励ましてみたが、それはどうやら見当外れだったようで、霧切が父に会いたかったのは絶縁を申し渡すためだったらしい。
霧切自身は探偵という家業に誇りをもっているが、どうしても父に捨てられた子という世間の目がつきまとうことに、いい加減うんざりなのだ。

その話を聞いた苗木は、もう口を開くことができなかった。
なのでひたすらハシゴを登った。
トラッシュルーム
ハシゴの終わりに頭上に現れた扉を開けると、そこはトラッシュルームの床だった。
あらためて助けてくれた霧切にお礼を述べた。

さて、これから一体どうしようか、というか、処刑されたのに出歩いてたらマズイんじゃないか?と苗木が不安がっていると、霧切が「だったらモノクマに会いに行きましょう」と提案してきた。

追い詰められてるのは黒幕のほうなんだから、むしろ先にこちらから出向いて交渉したほうが有利よ、と言われモノクマがいるであろう体育館に向かうことにした。

体育館
体育館を開けるとそこにモノクマはいた。
おやおやおやおや??と苗木の姿を認めるなり、なにやら言いたげだ。

助けちゃった霧切はいいとしても、苗木の存在は許せないらしい。

それが校則なので、苗木をもう1度処刑すると言い出した。
それを「好きにしたら?」と返す霧切。
「えっ!」と心外な苗木。

ボクの負けってどういう意味だよ!とモノクマ。
霧切を殺すために開いた学級裁判なのに、苗木が霧切をかばったせいで苗木を処刑するしかなかった。
その苗木の処刑さえもアルターエゴに阻まれて失敗に終わった。

戦刃むくろを殺した犯人はあなただったのよ!とモノクマを指名する霧切。
それなのに苗木を殺すことは、モノクマの大嫌いな校則違反にあたると指摘した。
その根拠は?とモノクマに聞かれると「ないわよ、根拠なんて」と清々しい霧切。
でも根拠は今はないってだけで、すぐに見つけられるという。

そんなんで納得するわけないとモノクマ。
でもそれを言うならこれを見てる視聴者だって、このまま苗木君を処刑しても納得しないはずよと、モノクマにとって痛いところを突く霧切。
もしこのまま苗木を処刑すれば、私の言ったことが図星だったから処刑したんだって思われるだけ、と。
そして霧切は提案した。
霧切の提案、それは”戦刃むくろ殺し”の学級裁判をもう1度やり直すこと。

その提案、黒幕が受けるメリットはないというのに、モノクマはのってきた。
さらにクライマックスにふさわしい勝負にしようと難易度を上げてきたのだ。

その時はそっち(希望側)の勝利を認めようと。
全てを知ったとき、キミタチはどんな絶望を見せてくれるのかな?とわくわくどきどきなモノクマ。

応酬する霧切。
そして1つ確認しておきたいことがあると前置き、「学級裁判は生徒同士の間で、殺人が起きた場合に、行われるもの」という言葉に間違いはないか訪ねた。
それに対しモノクマは今回の”戦刃むくろ殺し”の学級裁判も例外ではないと答えた。

全部で16人だったとヒントを口にした。

モノクマの不気味な笑いを背に受けて、体育館を後にした。
体育館前ホール
体育館前ホールに来た苗木は、霧切に処刑されずに済んだ感謝を伝えた。
それと同時に、先ほどのモノクマとのやりとりの疑問をぶつけてみた。

すると、電波ジャックをして視聴者にコロシアイ学園生活を見せてる黒幕は、あの提案を受けざる得なかったのだという。

黒幕はあんな校則を作ってまで、生徒たちに殺し合いをさせたかったのだ。
そしてそれを世間に見せつけることこそが、黒幕の目的なのだと霧切は言う。

そんなバカバカしい理由で…苗木は驚愕した。
しかしそんな理由があったからこそ、付け入る隙は生まれたのだという。
自身すらも校則に縛られてる黒幕。

ゆえに黒幕は校則を遵守していた。
だからこそ、霧切を直接殺さなかった。
学級裁判を利用して霧切を殺そうとするも、その企みは苗木のせいで失敗した。
仕方なく苗木を犯人として処刑することにした。

霧切の提案を受けるしかなかった…ということらしい。
ほっとしたのも束の間で、苗木たちはまだチャンスを得ただけにすぎないのだ。
ここからが本当の戦い。
なんとしても勝たなければならない。

「でも、あとはみんなで協力して、黒幕を追い詰めるだけだよ!」と苗木が高らかに言うと、「そう…なるかしら…」と霧切は不安げに答えた。

最後の戦いの説明をするため、みんながいるであろう寄宿舎へ向かう苗木と霧切だった。
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