物語のエンディングに向かう前にやれるだけのことはしたい、ただそれだけだった。
源氏シリーズのアクセが欲しかった。サイドリッツも使ってみたかった。マテリアも集めたかったし、HPを99999とかにしてみたかった。

そのためにレベルをカンストさせてみたり、SPを1300万くらい集めたり、マテリアの数値をHP+999%にしてみたり、DMWを全部集めて全部見たり・・・

その結果、ミッションもコンプリートしてみただけの話で。
その中に裏ボスがいたというだけのこと。

回転攻撃・改でひたすら削った。削るたび99999の数字が踊った。

暗黒のマテリアやケアルガのマテリアはただの飾りだった。だって防御する必要すらなかった。

それは戦いというにはひどく一方的で、ただの暴力に等しかったと今は思う。ボスより強いと言われる裏ボスにあっけない勝利を得た。

強くなりたかった。ミッションをコンプリートしたかった。全て成し得た。
でも、これで良かったんだろうか。

SPマスターを2つ付けていたので、たくさんSPを用意したけれど終わった時に1000万残っていた。使ったのは300万ほどだったらしい。試してはないけど、おそらくハードモードのミネルヴァもノーダメージで倒せるのではないかと思う。
全ての敵が瞬溶けする。楽しいか?と問われれば楽しいとは答え難く。作業感に包まれているというのが本音かも知れない。
ここに至るまでのほうがよほど作業だったのだけど、強くなってしまえばそこからは全てが作業になってしまう。目標のための作業から、消化するだけの作業へ。
もともとのザックスはあまりにも弱すぎた。海の漢が倒せず永久リジェネに追いつかれ、オーディンが出てくるまでねばって倒した。

その後のセフィロスとの戦いでも勝機が見出せず、いつだってオーディンだけが頼りだった。

これじゃあまりにも辛すぎる。強く・・・強くなりたい!!!そんな思いを抱えつつも弱いまま、キングベヒーモスにも苦戦し、最後のセーブポイントにたどり着いた。
星屑のペンダントを使う合成にはお金がかかるから、お金を稼がなきゃと思っていた時期もあった。でもお金を稼ぐ方法を調べているうちに、これはめんどくさくてできないと思った。強くなるのを諦めようとしたとき、ゲームへの興味も急速に失われた。
これではいけないと思い、いろんな動画や攻略サイトを見た。そこで出会った動画に載っていたマテリア合成はお金がかからないものだった。かかってもほんの僅かだった。真似をすれば確実に強いマテリアが作れた。ただひたすらに時間と忍耐を消費した。でも結果が出るので夢中になって取り組んだ。
その過程ですてみパンチと暗黒という2つの防御無視攻撃を知った。そこからは今までの難敵が嘘のように軽く溶けていった。どんな敵とも渡り合える技量を得て、この頃が一番楽しかったのかもしれない。
きっと何事もほどほどが良いのだろう。極めることはけして悪ではないけれど、それと楽しさが比例しているわけではないのだ。君臨する神はそんな当たり前で大切なことを教えてくれた気がした。
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