12センチのヒールで
蹴り上げる歌舞伎町
浮腫んだ足を引きずって
同伴の待ち合わせ
ネオンの下なら どんな嘘も宝石
「可愛いね」の声
課金制のファンタジー
指名という名の 承認欲求を
シャンパンの泡で
薄めて飲み干した
色恋・枕「お仕事」と割り切って
心の摩耗は 経費に落ちやしない
誰も呼ばない 本名を
クローゼットの奥に
鍵かけて隠した
磨り減った踵と 嘘の笑顔
夜が深まるほど 私は綺麗になる
朝焼けの青が 一番嫌い
魔法が解ける 音がするから
源氏名で呼ばれる 華やかな私を
コンビニのストロング缶で
殺して帰るの
Ah… 明日もまた 夢を売る
シャンパンタワーの
頂上から見下ろす
虚しさは全部
アルコールで流し込め
「愛してる」の単価
弾き出す脳内
優しさなんて
サービス料に含まれてる
重たいドレスを 脱ぎ捨てる頃
窓の外から 刺すような蒼い光
終わりの合図が
部屋を照らしてく
本当の私を 誰か見つけてよ
朝焼けの青が 一番嫌い
鏡の中 誰だかわからない
ネオンの光に 縋りついたまま
偽りの夢を 売り捌いていく
Ah… 夜が来れば また輝ける
高いヒールを 脱ぎ散らかして
むくんだ足を さすって眠る
おやすみ 世界
また夜が来るまで…
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笑顔の裏で、心は摩耗し続けている。誰にも言えない『本当の私』に寄り添う孤独の歌。
一番近くにいても、心は遠い他人のまま。都会の夜、本命になれない虚しさを音色に変えて。
朝焼けが、すべての「嘘」を暴いてしまう前に。都会の片隅で静かに孤独を分け合う、刹那のシティポップ。



